首都圏模試は、大手中学受験塾の模試と何が違う?
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5年生から始める中学受験、首都圏もしの試験範囲を使って学習を進める話の続き。
首都圏模試は、首都圏の非大手中学受験専門塾に通う受験生が主に受ける模試だ。
首都圏模試を受けるメリットは多く、受験生のバリエーションも広い。
四谷大塚やサピックス、日能研といったメジャーな中学受験塾は、それぞれ独自の模試を行っていて、年に数回はオープン模試も実施している。
しかしメインの参加者は自塾の生徒たちであり、会場もそれぞれの塾教室が用いられることが多い。
これは半分、自塾の宣伝も兼ねており、また外部生を受験させて、自塾生の偏差値を高めに出すことで塾生を鼓舞するという目的もある。
というのも自塾で受験する生徒にしてみれば、試験範囲も問題の傾向も旧知だし、会場も通い慣れた教室だから、リラックスして模試に臨める。
それに対して外部受験生は、初めて訪れるアウエイ(敵地)での教室で、自分が学んでいるカリキュラムと別のやり方で進めている塾の模試を受けるわけだから、本来の実力が出せなくても仕方がない。
なので当然ながら、塾の内部生の方が成績が良く、外部生の方が成績が悪くなりやすいという模試になる。
よくできる生徒であっても、こういう模試では点数が取れずに自信を失うこともよくある。
ただこれでは自分の子供の現在地がよくわからないから、やっぱり首都圏模試のような、様々な塾で勉強している生徒が受験する模試の方が客観性があると言える。
特に中位校以下の中学を目指す場合は、サピックス模試を受けても、問題が難しすぎて意味ないだろうしね。
首都圏模試 合判模試 5年の試験範囲
理科・社会は省略。試験範囲は目安で、書いてあっても出題されないことも多いし、問題集に載っているような問題が出るわけでもないかあら注意が必要。
時期 | 国語 | 算数 |
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第1回(7月初め) | 物語文・小説、論説・説明文、詩、かなの知識、漢字・熟語の知識、ことばのきまり、ことばの知識、ことわざ・慣用句など | 整数・小数・分数の仕組み・四則計算、約数・倍数、数の範囲(以上・以下・未満)、周期を利用した問題、等差数列、三角形・四角形の面積、三角形・四角形の角度、立方体・直方体の積み上げ、体積(角柱と円柱は除く)、つるかめ算、植木算 |
第2回(9月初め) | 物語文・小説、論説・説明文、随筆、かなの知識、漢字・熟語の知識、ことばのきまり、ことばの知識、ことわざ・慣用句など | 整数・小数、分数の仕組み、四則計算、概数、約数・倍数、並べ方・選び方の基本、円とおうぎ形の面積、円とおうぎ形の角度、多角形の角度、対角線、立方体・直方体の体積・容積、割合・百分率、平均、消去算、条件整理 |
首都圏もし 5年生の7月の試験範囲と対策
5年生の7月模試では、小数や分数を使う問題は非常に少なく、整数で計算して答える問題が多い。
というのも小学校で5年生の夏休み前までに習うのは、小数の掛け算わり算あたりであり、5年生の春くらいから中学受験の意志を固めて勉強を始めた生徒の場合は、まだ分数の計算も学習し始めたところだからだろう。
中学受験特有の問題である「周期算(曜日を答える問題)」や「つるかめ算」や「植木算」は、整数の計算で答えられる問題だし、三角形や四角形の角度や面積も、整数範囲で出題が可能だから、どうしてもこのあたりの単元の出題がメインになる。
約数や倍数の問題も整数問題だし、このあたりの単元を学習しつつ、小数や分数の計算を練習したり、次の9月模試の受験を考えて学習を進めるというのが、この時期の主な学習目標ってことになる。
計算分野の目標
計算分野では、小数や分数の四則計算と、最小公倍数や最大公約数、素因数分解などを学習する。
文章題の目標
約数や倍数の問題、植木算、つるかめ算、周期算。
余裕があれば、平均、割合・百分率、消去算(連立方程式)など。
図形分野の目標
- 平行線と角(対頂角・同位角・錯角)
- 三角形の角と面積(内角の和、外角、二等辺三角形、直角三角形、正三角形)
- 四角形の角と面積(正方形、長方形、台形、平行四辺形、ひし形の定義と角度、面積の求め方)
余裕があれば、円やおうぎ形の面積と周の長さ。立方体や直方体の体積・容積・表面積、正多角形の角や対角線の本数など。
…と言うのが一応の模試対策ってことになるが、5年生の7月の模試は、どちらかというと「模試に慣れる」というのが一番の勉強だから、成績が悪くても気にしなくて良く、気軽に受験してくるのが一番良い。