簡単な文章で良いから、まず文章を読む
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5年生から始める中学受験、国語の勉強法。
中学受験の勉強を5年生から始める場合、4年生から勉強を始めている生徒と比べて、語彙力も読んでいる文章の数も、遥かに少ない。
小学校では、授業で1ヶ月に1つくらいしかまとまった文章を読まないから、受験塾で毎週のように新しい文章をいくつも読んでいる子供とは、全く次元が違う。
そして中学受験の国語で出題される問題文は、高校受験や大学受験でも取り上げられるような話題も多いから、難しい言葉や概念が含まれている文章も多い。
ということで、そういう難しい入試問題をどんどん読んでいかないとダメだと思いがちだが、国語の場合はレベルを落としたところから始めないと、子供がやる気を失ってしまいかねない。
特に読めない漢字や難解な概念が含まれている文章は、読み進めるのも困難だから、どこかで読むのを放りだしてしまうリスクがある。
そのため個別塾などでは、1学年下の問題集から読解問題を始めるということをよくやる。
5年生だったら4年生の問題集から、あるいは中学受験用の問題集ではなく、一般の小学生が使うような問題集から始めるのだ。
こういうふうにグレードを落とすと、出てくる漢字や熟語も知っているものが多くなるし、読み進めるのが困難になるということが少ないから、続けやすいってことだね。
登場人物の気持ちが分かるかどうかが大きなテーマ
中学入試のための国語、読解問題を解くための対策は、とにかくまず、様々な文章を読むところから始める。
基本的に国語の入試問題は、物語文と説明文・随筆などの二部構成で作られている。
物語文は、小学生や中学生が登場する物語が多く、友達との関係を考えたり、家族との関係を考えたりする。
中学入試の国語の場合、「他人の気持ちがわかる」ということが大きなテーマになっており、登場人物の心情の変化を読み取ることが重要だ。
ところが人生経験が少ない小学生は、自分自身や友達の家庭については知っているが、世の中の様々な家庭環境や家族関係については、殆ど知らないし興味がない。
自分のやりたいことや欲しいものについては山程知識があるが、複雑な人間関係なんて想像すらしない。
そういう子供に対して、いろんな家庭や友達関係の話を問う物語文は、大人が思う以上に難しい問題になっている。
小学生に他人の気持ちを理解させるのは難しい
小学生の場合、立場や相手によって立ち居振る舞いが変わるというようなことは、裏表があって嫌な大人に見えてしまうから、登場人物に対して客観的に見るのは難しかったりする。
他人の行動や物の考え方を推し量るのは、好き嫌いは別にして、大人になって様々な人間を見てからでないと、できないことかもしれない。
そしてまた異性の物の考え方も、当然ながらよくわからないから、ほんとにこれは難しい。
これを理解するには、もう物語文をたくさん読んでパターンを覚えるしかない。
自分と考え方や行動パターンが異なる人間のことを、理解しようと思うのがまず無理。
自分は自分、他人は他人、というふうに割り切って、この人はこういう考え方で、こういう行動パターンの人間なんだ、というのを教えるしかない。
一時期、「アニメのキャラクター」で理解させるという方法もあったが、今の子供が全員見ているアニメも少ないし、見ていても毎年違うアニメになったりするしね。
論説文や説明文のように、難しい専門用語は出てこなくても、物語文はそういった意味での難しさがあって、大変だ。