5年生から中学受験を始める場合
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小学校5年生から、中学受験を考え始められる家庭も多い。
5年生から中学受験を始める場合、どういった点に気をつけるべきか。
まず、5年生から中学受験を始めるというのが、どういうことなのかをまとめておこう。
昨今の中学受験専門塾のスケジュールを見ると、小学校3年生の終わり、すなわち4年生になる年の2月スタートになっていることが多い。
たとえば中学受験の大手「四谷大塚」の中学受験教材「予習シリーズ」は、4年生版から発行されている。
3年生までの教材もあるが、こちらは「はなまるリトル」という教材名になっていて、一線を画している。
そして四谷大塚の学習スケジュールでは、4年生版の予習シリーズを3年生の2月から使い始める。
つまり小学校3年生の2月から、小学校6年生の1月までの「3年間弱」で、中学受験の準備をするというスケジュールだ。
大手受験塾と比べて1年半の遅れがある
大手受験塾のスケジュールでは、3年間の学習スケジュールを組んでいる。
となると、小学校5年生になってから、中学受験を思い立って、5年生の春から夏前に中学受験の勉強を始めようということになると、この時点で、1年半くらい遅れを取っていることになる。
3年間の受験準備のうち、半分がすでに過ぎているわけで、これは大変な遅れ、ではある。
ただ、これは大手受験塾が、超難関校への合格者数を増やすために考えたスケジュールだ。
開成中学や桜蔭中学校、灘中学といった超一流の進学校に、生徒を合格させるために割り出した勉強スケジュールで、「水も漏らさぬ堅牢なスケジュール」だと言える。
もともと四谷大塚の予習シリーズは、その名の通り「子供が勉強を予習するための教材」で、以前はもう少し温和な教材だったのだが、教材の採用塾からの突き上げでもあるのか、難関中学合格に対応できるように難しくなったらしい。
どういうふうに難しくなったのか詳しくは説明しないが、簡単に言うと、四年生後半にあった単元が、統合されて四年生前半と四年生夏休み教材に移動し、五年生前半の内容が四年生後半に移動した。
一言で言うと「学習内容が半年くらい前倒し」になったわけだ。
その結果、小学校では5年生の一学期に習う小数同士の掛け算や割り算、二学期に習う分数の足し算や引き算を、四谷大塚では4年生の夏休みに学習する。。
そしてなんと小学校6年生で習う分数の掛け算や割り算まで、四谷大塚では4年生の後半で学習するという羽目になった。
十五年くらい前は、異分母の分数の足し算や引き算は、6年生の初めに習っていたから、いくら有名私立合格のためとはいえ、これはキツイね。
小学校6年生の8月までに学習すれば良い
比較的温和だった予習シリーズのカリキュラムが、半年くらい前倒しになってしまったため、5年生から中学受験を始める場合、かなりハードモードになってしまっている。
そのため、四谷大塚の予習シリーズを使っている準拠塾に、5年生から入ると、もう何もわからない状態になってしまうだろう。
実際、新しくなった予習シリーズを教材として使って教え始めると、「えっと、これ既習なのか?」「これも既習なのか?」と驚く。
まあでも早熟な子供もいれば、晩生の子供もいるので、ついていけなくても仕方がない。
必要な勉強は、中学受験本番に間に合えばよいわけで、6年生の夏休みが終わった時点で、受験範囲を一通り学習できていれば良い。
ただ5年生から中学受験を始める場合、4科目を網羅するのは子供にとってかなりの重労働になるので、とりあえずは算国の2科目受験を考えるのが良いと思う。
開成中学や桜蔭中学、灘中学レベルを目指すなら、算国以外の科目も準備しなければならないが、偏差値60レベルまでの中学だと、2科目受験でも十分合格できる。
なのでまず、2科目に絞って勉強を進め、余裕があれば理社も学ぶといったスタイルが良いだろう。