予習シリーズ 算数の使い方
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5年生からの中学受験。
予習シリーズを使って算数の勉強をする場合、山ほど壁にぶち当たる。
たとえ4年生版の下巻から始めたとしても、小数の掛け算だとか割り算は必須だし、分数の通分・足し算・引き算ももちろん必要。
このへんは、普通の小学校でも5年生で習う範囲だから、半年ほど学校の勉強を先取りしているんだと考えると、まあ納得はいく。
三角形や四角形の面積、平均あたりまでは、まだ5年生の範囲だし、中学受験をするかどうか関係なく学校で習うわけだから。
ところが4年生の下巻でも分数の掛け算や割り算まで必要だし、円の面積あたりもどこかでやらないといけない。
でないと5年生の上巻でいきなり扇形を使った図形の面積が出てきて、面食らう。
まず小学校6年生までに習う算数の知識から、子供に教えていかなければならないから、時間がいくらあっても足りない状態になる。
こうなると、予習シリーズだけをズンズン進めていけば大丈夫、なんてことは言ってられない。
さあどうするか。
予習シリーズ算数は、断絶している
2021年度から新しくなった予習シリーズは、以前のものよりも難しくなった、と言われる。
難しくなったというより、学習スケジュールが半年ほど前倒しになって、しかも上巻と下巻の間に、断絶がある。
そのため、予習シリーズだけでリニアに直線的に学習を進めることができなくなった。
四谷大塚では、夏期講習が必修であり、必修の夏期講習テキストが、上巻と下巻の間をつなぐという、ややこしいことになっている。
この夏期講習が曲者で、先程挙げた「小数の掛け算や割り算」「分数の通分・約分」「分数の足し算と引き算」「分数の掛け算や割り算」といった単元は、4年生の夏期講習で学ぶということになっているのだ。
つまり
- 予習シリーズ・算数 4年上巻
- 四谷大塚 夏期講習テキスト(4年)
- 予習シリーズ・算数 4年下巻
- 予習シリーズ・算数 5年上巻
- 四谷大塚 夏期講習テキスト(5年)
- 予習シリーズ・算数 5年下巻
- 予習シリーズ・算数 6年上巻
というふうに進むので、予習シリーズだけで勉強を進めるというのはできないのだ。
予習シリーズ算数は、類題と基本問題だけで良い?
5年生から中学受験の勉強を始めた場合、まともに予習シリーズに載っている問題を全部やる時間はない。
そんなことをしたら、遅々として学習が進まず、たった一章を何週間もかかってやる羽目になる。
今通っている塾の宿題もあるだろうし、問題を解くために6年生までの算数の知識を別に学ぶ必要もあるし。
ただ問題の解き方の解説は、予習シリーズが一番丁寧だし、解答編の解説も多い。
「子供が自分で読んで取り組める」というのが予習シリーズの本分だし、新版になってもそれは変わらない。
だから予習シリーズは、ぜひともやっておいた方が良いわけなのだが、じゃあどうするか。
実は新版の予習シリーズの問題は、難易度的には旧版より易しくなっているのだという。
旧版に載せてあった入試問題などは、新たに別の問題集にまとめてあって、開成中学や桜蔭中学、灘中学などのトップ校を目指す人向けに、難関問題集というのが発売されている。
なので余裕があれば、予習シリーズに載っている問題は全部解きたいところなのだが、いかんせん時間がない。
とりあえずは例題と類題、そして基本問題だけをどんどん進めていったほうが良いだろう。
練習問題は、模試の範囲で指定されていたら、その単元だけ戻ってやればよいし、6年生になってからでも良い。
それよりもまず、入試に出てくる問題のパターンを全部一通り学習するのが先だ。