食塩水の問題を、面積図で解く
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面積図は、グラフの図形の面積が、面積ではない数量を表す図だ。
例えば食塩水の問題であれば、縦軸に濃度(こさ)をとり、横軸に重量(グラム)をとった面積図を描く。
ということで、例題を一つ挙げる。
【例題】
今、5%の食塩水100gと、10%の食塩水がある。
5%の食塩水100gに10%の食塩水を加えて、8%の食塩水を作りたい。
10%の食塩水を何グラム加えればよいか
通常、食塩水の問題は「ビーカー図」を描いて解けば大体解けるのだが、これは出来上がる食塩水の重量がわかっている場合だ。
食塩水を混ぜた結果、何グラムの食塩水が出来るのかわからない場合は、面積図を使って解く。
面積図を描く
まず、5%の食塩水が100gあるのだから、縦軸に5%、横軸に100gをとって、長方形を描く。
この長方形の面積(黄色の部分)が、溶けている食塩のグラム数になる(5%×100g)。
一方、加える10%の食塩水を右隣りに描く。
加える量はわからないのでXgとして描くと、10%食塩水に含まれる塩分は緑色の部分の面積となる。
食塩水の問題を面積図に描く(1)
最後に、出来上がる予定の8%食塩水を描き入れるわけだが、こさは8%で重量は100+Xgになるので、赤い点線で描いた部分になる。
ここまでで面積図の準備が完了だ。
出っ張った部分を、凹んだ部分に移す
8%の食塩水を作るには、どうすればよいか。
もとは5%の食塩水だから塩分が足りないし、10%の食塩水は、塩分が多すぎる。
ということで、出っ張った部分の塩分を、凹んだ部分に移せばよいことになる。
食塩水の問題を面積図に描く(2)
- 8%ラインを超えている部分の面積は、2%×Xg
- 8%ラインを下回っている部分の面積は、3%×100g
だから、これが等しくなるXを求めれば良いわけで、ここからX=150gと計算できる。
比を使って解くことも出来る
この問題は、面積図を使わなくても解ける。
5%の食塩水と10%の食塩水を混ぜて8%の食塩水を作るのだから、比を使って混ぜる割合を考えても良い。
(8-5):(10-8)が凸凹の部分の比になるので、その逆比の2:3の割合で混ぜれば良い。
ということで、100g:Xg = 2:3 を解けば、X=150gが出る。
ただこの比を使って解く場合も、面積図をイメージしないとわかりにくいので、一応面積図も書いた方が良い。
水を加えて濃度を下げる問題
水を加えて食塩水の濃度を下げる問題もある。
【例題】
10%食塩水100gに、水を加えて8%の食塩水を作りたい。水を何グラム加えればよいか。
水は0%の食塩水だと考えると、含まれる食塩の量は0グラム。なので面積図では面積ナシということになるので、こういう面積図になる。
10%の食塩水から8%に濃さを下げるので、余分の2%分の塩分を使って、新たに8%の食塩水をXグラム作ると考えてみる。
ということで、水を25グラム加えればよいということになる。