中学受験用の国語教材は難しすぎる
更新日:
国語学習というのは、指導するのがなかなか難しい。
というのも熟語の読み書きは教えやすいのだが、文章の読解はなかなかそう簡単には教えられない。
その原因が、「小学生は人生経験がかなり短いため、文章を読めても、それが具体的に理解できない」からだ。
その解決方法としていろんなアイデアが出されているが、昔からよく言われているのが「1学年下の教材から始める」という方法だ。
1学年下の教材から始める利点としては、「漢字の読みで止まらない」ということや、子どもの脳の発達度合いに合ってることが挙げられる。
勉強というのは段階を踏んで進まないと、すぐに壁に突き当たる。
壁に突き当たって乗り越えられるほど強い子どもなら良いが、それでも結局、少し前に戻って勉強し直すことが必要なのは確か。
となるとやっぱり一学年下の教材から始めたほうが良いということになる。
一般小学生向きの読解問題集をやるのも一手
中学受験の国語で、1学年下の教材から勉強を始めるという勉強法は、中学受験用の問題集が難しすぎるというところにも原因がある。
中学受験用の問題集というのは、難関中学にも挑戦できるレベルの問題も載せているし、偏差値55くらいの学校で出題された問題も載せている。
偏差値55レベルと言うと、高校受験や大学受験では、平均点より少し上という印象になるが、中学受験で偏差値55というのは、「かなりよく出来るレベル」になる。
中学受験というのは、すべての小学生が挑戦するわけではなくて、教育に関心が高い家庭が臨むものなので、模試を受けている受験生の平均レベルが高い。
小学校で百点満点のテストを取ってくる子供でも、中学受験の模試では偏差値が40台前半くらいなのだ。
なので中学受験の勉強を数年続けている受験生の偏差値55というのは、かなりハイレベルな子供だし、偏差値65になるともう秀才と言って良いレベルになる。
そんな受験生に向けて作られているのが、中学受験用の問題集であるから、内容がハイレベルになるのも仕方がない。
なので5年生でも、4年生の問題集から始めるという勉強法が出てくるわけだが、子供はそれを理解してくれない。
自分は5年なのに、なんで4年生の教材を使うの? そんなに私はできないの? 恥ずかしい…という感じになって、問題集の表紙を外したり、カバをかけて見えなくするような子供もいる。
それだったら、もうより内容が優しめな、一般小学生向けの読解問題集をやるというのも一つの手だし、最近それに丁度よい問題集が発売されている。
それが「くもんの国語集中学習 文章読解にぐーんと強くなる」だ。
くもんの国語集中学習 文章読解にぐーんと強くなる
「くもんの国語集中学習 文章読解にぐーんと強くなる」は、2023年に公文式(くもんしき)から一般向けに販売された読解問題集だ。
「くもんの国語集中学習」シリーズは、他に漢字編、言葉・文法編、作文編等があるのだが、読解編は一押しだ。
というのもまず、文章が読みやすく、しかも丁度よい長さになっている。
中学受験用の問題集の難点の一つは、問題文の長さが長過ぎることで、問題文を読むだけでもかなり時間がかかる。
実際に中学受験で出題された問題を掲載しているので、語彙力も必要だし、読んで解答するのに20分以上かかるような問題ばかりだ。
国語の読解力を一から養おうというタイミングでは、これは難しすぎるし、難しすぎると量がこなせない。
子供にとって必要なのは、いろんな文章をたくさん読むことなので、国語が苦手な子供にはハードルが高すぎる。
その点、この問題集は、問題文の長さが短いし語彙も優しめだから、すぐに読めるし何度も読み返すことが出来るから、間違えても原因がわかりやすい。
これはほんとに良いね。
おすすめする点
- 問題文が短めで、10分くらいで解答できる。
- 問題が50問あり、週に1-2問ずつ進められる。
- 入試問題でないので、それほど難しくない。
- 現在の学年版の問題集が使える
もちろん4年生版から始めても良い。あっという間に進むし、夏休みだけで終わらせることもできそうだ。