ビーカー図を描く
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5年生から始める中学受験、次はビーカー図を描く方法だ。
食塩水の問題は、他の単元とほとんど交わらないし、百分率さえ理解しておれば取り組めるので、教えやすい。
ただ問題は、子供が絵や図を描けるかどうかなんだよね。
小学生というのは、なぜか暗算するほうが凄いと思ってる子供が多くて、絵や図を描いて解くのが苦手だったりする。
ところが食塩水の問題は、複数の食塩水を混ぜたり、水分を蒸発させたりするため、暗算ではどうしようもない。
これは他の単元でも同じことなのだけれど、だからこそ図を描かないと解けない食塩水の問題は、初めの方にやったほうが良いかもしれない。
予習シリーズでも、5年上の前半に配置されてるしね。
ビーカー図は、問題文のとおりに素直に描く
算数の文章題は、問題文をそのまま絵や図に描くことが重要だ。
そのため、ビーカー図も同じように、問題文を読んでそのまま描けるように練習しないといけない。
ということで、まず基本のビーカー図の描き方から説明する。
問題文に「3%の食塩水100gに…」とあった場合、次のように描くと分かりやすい。
ビーカーを模した縦長の長方形を描いて、上から濃度・全体量・塩分量を描き入れる。
問題文はたいていの場合、濃度・全体量の順番になっているので、上の段から同じように描いていく。
また食塩水の問題では、含まれている食塩の分量が重要なので、これも描き入れる。
計算式は上2段のかけ算になるのだが、できたらカッコで囲んで「含まれている感」を出しておいたほうが間違えにくい。
3%の食塩水100gがある ビーカー図
これが簡単にできるようになったら、次の段階に進む。
食塩水を混ぜ合わせる問題をビーカー図で解く
基本のビーカー図を描けたら、次は混ぜ合わせる問題だ。
【例題】 5%の食塩水100グラムに、10%の食塩水150グラムを混ぜた。何%の食塩水が何グラムできますか?
2つの食塩水のビーカーと、混ぜ合わせた後のビーカーを、問題通りにまず描く。
上の図に、含まれている食塩の量と、混ぜ合わせてできる食塩水の量を計算して書き加えると、次のような図になる。
全体量と食塩の量は加えるだけなので、単純な足し算になるところが重要。
そうして混ぜ合わせた食塩水が150グラムになり、含まれる食塩の量が20グラムになることが分かるので、ここから濃度が計算できる。
水を加える問題をビーカー図で解く
混ぜ合わせの問題の変化形で、水を加えたり蒸発させるという問題もよく出題される。
【例題】
7%の食塩水100グラムに、水を40グラム加えたら、こさは何%になりますか?
まず基本のビーカー図を描く。水は濃度0%にする。
次に分かっているビーカーの塩分量を描き入れる。
- 水は0%の食塩水というふうに考えるので、含まれている食塩の量は0g
- 混ぜ合わせた後の食塩水の重量は、100グラム+40グラムなので、140グラム
ということで、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度は、7÷140×100=5%
水を蒸発させる問題をビーカー図で解く
食塩水の水分を蒸発させる問題も、一行問題などで出題される。
【例題】
9%の食塩水100グラムを理科室に放置していたら、水分が10グラム蒸発して重さが90グラムになっていた。こさは何%?
この場合は、足し算ではなく、引き算になる。
この3つのパターンのビーカー図が理解できたら、複雑な混ぜ合わせの問題も解ける。
ただしビーカー図では解けないタイプの問題もあって、その場合は、面積図を用いて解く。