甘いものは頭を悪くする。糖質依存症の子供たち。
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個別指導の塾講師を10年やってきて、分かるようになったことがいろいろある。
その一つが、「小太りの子供は、勉強しない」ってことだ。
だから新しい生徒さんを見たときに、小太りだったらもう、「またえらい子供が来たな」
「手がかからないとラッキーだが」と思う。
小太りの子供は、十中八九、勉強をしようとしない。
たいていの場合、じっと座っていることができず、何かあればすぐに席を立とうとするし、講師の目を盗んで、ジュースを飲んだりおやつを食べようとする。
もちろん、痩せていてもできない子供はたくさんいるのだが、小太りの子供というのは何らかの理由で欲望が制御できず、甘いモノが手放せなくなっている。
これはADHD(多動性)というより、炭水化物中毒・糖質依存症らしい。
糖質依存になってしまうと、落ち着いて勉強などできないから
頭が良くなることなど期待できない。
まず甘いものや間食癖を強制的にやめさせる必要がある。
脳は甘いものなしでも動く。炭水化物(糖質)は、実は不必要な栄養素
少し詳しく書くと、甘いものや炭水化物を摂ると
血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上がる。
血糖値が多くなると、膵臓からインスリンというホルモンが出て、身体の細胞に糖分を取り込むように指示が出される。
ところが糖分を摂りすぎていると、過剰にインスリンが出てしまい、今度は低血糖の状態になってしまう。
つまり血液中のブドウ糖が不足するわけだ。
こういう低血糖状態になると、通常は蓄えられているブドウ糖が放出されたり、脂肪が分解されて、ブドウ糖の代わりにケトン体というものができる。
ケトン体というのは人間のエネルギー源で、心臓も筋肉もケトン体で動いている。
またブドウ糖が少なくなると
脳もケトン体をエネルギー源として使う。
欧米の小児の難治性のてんかんの治療では、ケトン食といって2年間も炭水化物無しの食事で治療を行うから、実は炭水化物が無くても、頭は働くのだ。
ところが普段から甘いものやお菓子ばかり食べ続けている人間は、この機能が鈍くなってしまって働かなくなる。
そして血糖値が下がったらイライラし始め、すぐに甘いものやお菓子を食べずにおれなくなってしまう。
つまり甘いモノを食べると
脳に快感物質がドバッと出て
依存症になっているのだ。
こうして甘いものやお菓子ばかり食べていたら、当然カロリーオーバーになるので、ずんぐりむっくりの小太りになってしまうから、「これはやばいな」と分かるわけだ。
さらにペットボトル症候群という
急性糖尿病にもなりかねない。
また糖質過剰が続くと、動脈硬化の原因にもなるので、心臓病などの病気にもなりかねない。
頭を良くする栄養素は、野菜などに含まれるビタミンや、魚などに含まれるEPAやDHAしかなく、甘いモノはもってのほかだと覚えておいて欲しい。