子供はモノを知らないから、実物や模型を見せないと行けない
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子供は、モノを知らない。
十年前後しか生きていないし、物心ついてからも数年しかたっていないわけだから、これは当然だ。
しかしモノを知っている子供と、モノを知らない子供とでは、理解力がかなり異なる。
「黄金」と聞いて、「ああ、あれか」と思う子供と、「黄金っていったいなんだろう?」と思う子供では、その後の話の理解度が違う。
算数で、原価や定価、売価といっても、家でお商売をしている家庭でもなければ、何のことかピンとこない。
子供が関心を持ちそうなテーマを扱っている理科はまだしも、社会などというのは、分からないこと・知らないことだらけである。
地理は見たこともない・聞いたこともない土地の名前や、河川の名前を覚えないといけない。
オートメーションだの、ナフサだの、産業ロボットだの、コールドチェーンだの、カタカナ用語もたくさん覚えないといけない。
歴史などになると、聖武天皇だとか、あまりなじみのない人の名前などが、地名に絡めつつ山ほど出てくる。
だから、それぞれにイメージができあがるまで、かなりの時間がかかってしまう。
なので、塾で習う以前に、こういう言葉を知っているかどうかで、かなり理解力は変わってくる。
中学受験は、家庭力の勝負であって、だから旅行もいかない、博物館などにも行かない、家に辞書も図鑑もないような家庭では、成績が上がりようがない。
転塾の前に、ダブルスクールも考えてみる
こういう状態では、成績が上がったらおかしいから、転塾を考える以前に、子供が勉強できる環境を整えることが先決だ。
しかし5年生や6年生になってから子供を外に連れ出したり、習い事をはじめさせても、ちょっと遅いかもしれない。
そうなると、子供が知らない言葉を説明してくれるような塾でないと、成績を上げるのは難しくなる。
大手の進学塾に通わせつつ、個別指導の塾にも行かせている、いわゆる「ダブルスクール」のようなことが起こるのは、そういう事情がある。
子供にとって中学受験の勉強というのは、見たことがないモノの話ばかり。
だから、別に個別塾に通わせて、大手塾で習ったことで分からないところを説明してもらうという必要があるわけだ。
だから一つの学習塾だけで成績が上がらない場合、転塾させるのも一つの考え方だが、一斉授業塾に転塾させる以外にも、やめずに別の個別塾に通わせるという選択肢がある。