学習塾難民 塾を転々とする親子
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成績が上がらないから、転塾する。
「塾を変えれば成績が上がるんじゃないか」と考えて、何度も転塾を繰り返す親御さんがいる。
最初の塾は半年で辞めて、次の塾は三ヶ月で辞めて、さらに次の塾は二ヶ月で辞めて、さらに別の塾の門を叩いて…。
こういうのを学習塾難民というが、たいていどこの塾へ行っても成績なんか上がらない。
なぜなら成績が上がらない原因が、家庭の学習環境にあるからだ。
成績の悪い根本的な原因は、家庭学習の習慣がなかったり、読み書きを親が教えていないという事が多い。
ところがそういうことをやらずに、子供が勉強できない原因は、外にあると思っているからこういうバカなことをやる。
できない原因が分かっていれば、転塾するにしても、それに見合った塾を探せば一回ですむから、塾を何度も変えるというようなことは起こらない。
転塾を繰り返すというのは、勉強ができない原因が分かってないからこそ起こる現象なのである。
できる子供は、もともと家で勉強できている
できる子供というのはたいてい、塾に来た時点で、ある程度の基礎学力があるのが普通だ。
知識は少なくとも、読み書きや計算はきちんとできる。
計算速度は遅くてもできるし、家で勉強しているのがわかる。
親御さんが子供の勉強を家で見ているかどうかなんて、塾の講師にはすぐに分かるが、そういう子供の場合は、どこの塾に行っても成績が上がる。
足りないのは知識とノウハウだけだから、それを塾で補ってやれば、ドンドン成績が伸びる。
一方、できない子供が急にできるようにはならない。
理由は簡単で、成績が上がる理由がないからだ。
できる子供というのは、家で基礎的な勉強をしている子供である。
言うなれば、土台がソコソコできているので、あとは上に建物を建てればいい状態だ。
ところができない子供というのは、その土台から作らないといけない。
土台から作らないといけないので、時間がかかる。
あるいは、地頭はよいのだけれど、今まで勉強の方法が分からなかったり、勉強の練習をしてこなかった子供なども成績はすぐ上がる。
こちらはスピードがあるので、土台からやり直せば、さほど時間がなくても、できるようになる。
成績が上がる素地を持っている子供とでもいうべきか。
辞書も図鑑もない家庭では、勉強どころではない
しかし塾で面談をしていても、図鑑どころか、辞書すらない家庭というのもある。
そういう家庭の子供はやはり、勉強ができないし、なかなか成績も上げられない。
子供が勉強しようと思っても、分からない言葉があったらそこで止まってしまう。
これでは勉強が進まないから、結局途中でやめてしまう。
家に子供用の辞書や図鑑があるかないかだけでも全然違う。
歴史漫画などの学習漫画も、漫画だと思って侮ると、痛い目に遭う。
単なる暗記と、具体的なイメージのついた言葉では、理解度が全然違うから、漫画のキャラクターのようなものであっても
イメージをもてるのは重要なことである。
こういうモノは、低学年くらいから家に並べておくと、子供というのは好きなときに勝手に読むので、覚えも速い。
成績が上がらないから転塾するという場合、まず家庭に成績が上がる理由があるかどうか考える必要がある。
これがなければ、思いっきりブレーキを踏んだ状態で子供を塾に行かせていることになるので、成績なんか上がりようがない。