国語の成績が悪いのは(22)抜き出し問題ができない理由
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国語の問題の解き方の続き。
国語の問題で、文中の言葉を抜き出すという問題がある。
熟語の場合もあるし、一文をまるまる抜き出すこともある。
文字数が指定されている場合もあるし、「文中の用語を用いて」という場合もある。
で、答えはもちろん文中に書いてあるわけだけれど、国語ができない子供というのは、これも実はできない。
文中から抜き出すだけなんだから、どちらかといえば、比較的簡単な問題だ。
ところが国語が苦手な子供の場合、これもできない。
なぜできないんだろう?と思っていたが、どうやら
「国語が苦手な生徒の場合、答えをあらかじめ予想していない」のだ。
たとえば、ある問題集に、こういう問題があった。
「『我に返る』に対照的な、それ以前の主人公の様子を表すことばを、文中から5文字で抜き出しなさい」
これを解く場合、できる子供というのは、本文から言葉を抜き出す以前に、答えの候補がいくつか頭に浮かんでいる。
『我に返る』に対照的な言葉で、我に返る前の様子であるから、要するに、我に返るの反対語を探せばいいわけだ。
我に返るの意味自体は、(1)意識をとりもどす。気がつく。蘇生する。
(2)興奮がさめる。
ってことだから、無我夢中とか、ぼーっとしているとか、うわのそら、もうろう、ふわふわ、浮つく、ヒステリー、興奮、、、、などといった雰囲気の言葉を見つければよいってことだ。
どういう言葉を選べばよいのか、この時点で目標がかなりハッキリしている。
ところが、国語ができない子供というのは、「何を探してよいのか分からないで、ウロウロしている」。
ゴールがどこにあるのか分からないから、時間も食うし、当てずっぽになる。
また、対照語や反対語、同義語や類義語の知識もないと、さらにさまようことになる。
何を求められていて、どういう条件があるのか、それをハッキリさせる癖をつけないといけないね。