中学受験・面積図、できなければあきらめろ。
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中学受験の算数で良く登場するのが、面積図というヤツだ。
面積図が何かというと、数量や距離などを面積で表す図だ。
たとえばタテ軸に速度を取り、横軸に時間を取ると、
速度(タテ) × 時間(ヨコ) = 進んだ距離(面積)
となるので、そこの面積が進んだ距離になると言う事だ。
これは高校の物理でも、V-t図という名前で出てくる。
放物線を書いて、放物線の下側の面積が、自由落下をした時の距離というやつだ。
面積図というのは、便利な図なんだけれど、理解できない子供は理解できない。
距離なんてスカラー量(1次元の量)だから、それを2次元で表すというのは、概念として難しい。
面積図は、諸刃の剣
面積図というのは、図を描いて問題を解くのが、できる子供でないと使えない。
たとえば次の問題を考えてみる。
【問題】
A君は100円のノートを何冊か買いました。
B君は80円のノートを何冊か買いました。
A君が買った冊数は、B君より5冊少なくて、代金も160円少なかったです。
さて、A君は、何冊ノートを買ったでしょう?
この問題は、面積図を使っても解けるが、面積図でなくても解ける。
さて、あなたの子供はどうやって解く?
結構な難問だから、たぶん偏差値55未満の生徒には、解けないかも知れない。
発想力にもタイプがある
この問題、線分図で解くにしても、面積図で解くにしても、まず思いつかないといけない事がある。
それは何かというと、「もし二人とも、同じ冊数ノートを買ったらどうなる?」ということだ。
これは仮定の話で、仮定で物を考える事ができる子供でないと、思いつけない方法だ。
で、今、A君はB君よりも5冊少ないわけだから、5冊増やしてみる。
つまりA君が、あと5冊ノートを買ったと考えたら、どうなるだろう。
そうなるとA君の代金は500円増えるから、500円-160円=340円ほど多くなる。
同じ冊数を買って340円多くなるという事は、何冊買ったのだろう?
A君とB君の買ったノートは、1冊当たり20円の差があるから、
20円×???冊=340円
よって340円÷20円=17(冊)という数が出てくる。
A君はそれよりも5冊少ないので、12冊買ったと分かるわけだ。
これは「つるかめ算」という解き方の応用だね。