勉強不振の根本的原因は、知識の穴
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学習塾を転々とする子供がいます。
成績が上がらない、と言って、3ヶ月で辞めてしまう子供です。
小学生で言えば、5年生くらいの女の子が多い感じがします。
算数ができないと言うので塾にきて、3ヶ月くらいしたら他の塾に行くと転塾して行くパターンです。
学習塾難民とでも言ったらよいのか、そうやって数ヶ月ごとに転々とされているようです。
5年生くらいの女の子で、算数が苦手と言う子供はかなりいます。
なので、ある程度は仕方のないことなんですが、そうやって転塾を繰り返される子供を見ると、かなりかわいそうです。
教える方の実力不足も確かにあるんですが、そうやって転々とされると言うことは、どこでもダメだったと言うことでしょう。
運良く成績を上げてくれる塾が見つかればいいんですが、なかなかそうも行きません。
子供の苦手意識を払拭するのは、大仕事
塾を転々する子供というのは、勉強に対して物凄い苦手意識を持っています。
勉強に対して苦手意識があると、勉強が進みません。
では、その苦手意識を払拭すれば良いかというと、そんなに甘くない。
というのも塾で一生懸命「できるできる」とまじないをかけても、家で「ダメだダメだ」と刷り込まれますから。
家庭では、テストのたびに親に叱られ、「自分はできないんだ」というメッセージが子供に刷り込まれます。
家でブレーキを踏まれたら、塾でいくらアクセルを踏んでもダメです。
塾で泥を洗い落とそうとしているのに、家に帰ったらまた泥水を注ぎ込まれるわけですから。
酷い場合には、失敗を期待されていると潜在意識が勘違いして、無意識にわざと間違えるようなこともあるようです。
ミュンヒハウゼン症候群といって、親や周囲の者の気を引くために、わざと病気のふりをしたりすると言うヤツです。
コレは本当に困ります。
だから「家では勉強させないでください」と言う塾の経営者もいて、これはこれでお金儲け主義みたいで嫌なんですが、間違いでもないんです。
知識の穴を埋める作業は、根気のいる作業
小学生の場合は、中学受験でもしない限り、計算や読み書きが多少できなくても、そのまま放って置かれてしまいます。
理由は簡単で、客観データもないし、大したことがないと考えられているからです。
塾の場合は、年に何度も実力テストや到達度テストがあったりして、どこに穴があるか、データで分かってしまいます。
が、塾に通っていない子供の場合、そういうデータもありません。
だから中学に進学したとたん、数学で30点くらいしかとれなくて親はビックリします。
それで驚いて一斉授業塾などに通わせたりするわけですが、穴があちこちにボコボコ空いている状態では、塾の授業にもついて行くことができません。
で結局、中2の夏くらいになってから、どうしようもなくなって、個別指導の塾に来たりするわけです。
ところがこういう生徒の場合、穴を発見して、一つ一つ埋めていく作業に最低半年はかかります。
毎週計算などのミニテストをして、何ができないか発見して、それを繰り返し練習させるのです。
とにかく毎回毎回テストして、穴を見つけては埋め、穴を見つけては埋め、その繰り返し。
そうやって半年以上穴埋め作業を続けて、ようやく偏差値50(平均点)に近付くわけです。
だから個別指導でも、3ヶ月では結果は出せません。
少なくとも半年は必要です。
なので一斉指導塾の場合は、3ヶ月で見切りをつけてもいいですが、個別の場合、半年以上は我慢してください。
数学の問題を見ただけで拒否反応を示すような状態だと、トラウマを解消できないとどうにもなりませんから、もう本当に時間がかかってしまうんです。