得意科目を伸ばせば合格?...それは絶対無理。
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受験で一番危険なのは、得意科目で不得意科目のマイナスを埋め合わせようという考えだ。
これは大学入試でも言えるが、こういう作戦が有効なのは、せいぜい中位未満の学校に限られる。
ハッキリ言って、難関とか上位レベルの学校では通用しない。
これが分かっていない人というのは、そう言う学校に挑戦したり合格した経験のない人、要するに高学歴でない人だ。
ロクな学歴のない先生は、そう言うことを平気で言うから、気をつけた方が良い。
なぜかというと、得意科目では最高でも100点しか取れないから、伸び代があまりないからだ。
合格できる子供と、合格できない子供の違いとは
得意科目の点数だけで合格できるのは、あまりレベルの高い学校ではない。
中位レベル以上の学校に合格する人は、全科目で標準的な点数を取り、なおかつ得意科目が1つ以上ある人だ。
こういう生徒は1つの科目で失敗しても、得意科目で取り返すことができる。
一方、得意科目で不得手の科目で取れない点数を取ろうという人は、得意科目で余分に点数を取らなければならない。
しかしこれは、ハイリスク・ローリターンだ。
というのも入試というのは生徒を選別するためにやるわけだから、よほどのことがない限り満点なんか取れない。
時間がギリギリだったり、ひらめきがないと解けなかったり、失敗につながる落とし穴がいくつもある。
しかも得意科目で高得点を取るのに失敗したら、平均的に点数が取れる人より低くなってしまうから、確実に落ちる。
そんなリスクがあるのに、合計点をみるとは全科目平均的に点が取れる人と同じ点しか取れない。
ハイリスクな割にリターンが少ない。リターンが少ないというより、リターンがない。
もう少し入りやすい学校に、志望校を変更すべきだろうね。
合格点シミュレーションをしてみる
もう少し詳しくシミュレーションをしてみる。
たとえば、合格最低点が平均60点の学校を受験する場合、国算で120点以上が必要だ。
ここで国語が得意で算数が苦手という場合、模試の成績は、国語で80点・算数40点くらいかも知れない。
もしかすると、国語が70点で算数は30点かも知れない。
前者の場合、合格最低点ギリギリの実力があるわけだから、得意科目の国語を伸ばすというのは、悪い考えではない。
ただし算数で失敗すると、国語は100点近くとらないと不合格になる可能性もある。
さらに後者の場合、合格点には20点足りないので、国算合計で20点以上伸ばす必要がある。
この場合、70点の国語を90点にして合格を目指すとしても、本当に一か八かのギャンブルになる。
得意科目を伸ばして合格できるのは、だから、全体的にやさしい問題が出題される学校に限る。
そう言う学校だと、苦手科目でも点数がそこそこ取れるし、合格最低点も大したことがないので、得意科目で満点近い点数を取れば合格することができる。
あくまでも全科目平均的な点数が取れた上で得意科目がないと、中位以上の学校に合格するのは難しい。
社会で生きて行くには、得意分野があれば少々難があっても生きていける。
しかし受験では、そういうわけにはいかないんだね。