転塾のリスク 塾を辞めない方が良い場合
更新日:
教育というのは「結果オーライ」的なところが多い。
つまり成績が良ければ、とりあえずOKだと判断してよい。
逆にソコソコ成績がよいのに、さらに上を目指そうと転塾させるのは、ものすごい大バクチである。
転塾を考えて良いのは成績が悪い場合と、友達関係などが悪化して子供が塾をやめたいといった場合だ。
転塾させてかえって成績が落ちるなんて事は、時間のない中学受験の場合、致命傷になりかねない。
なぜなら子供の成績が良い原因が、どこにあるのかは微妙な問題だからだ。
塾の指導が良いから、成績が良いのかも知れない
子供の成績を伸ばした原因が塾にあるのか、それとも子供本人や家庭にあるのか、そう簡単に見極められることではない。
できる子供というのは、親が教育熱心で、読み書きを子供に教えたり、子供を色んなところに連れて行ったりしている事が多い。
また家庭学習の習慣があって、勉強するのが当たり前の環境を整えていたりする。
こういう場合は、本人のモチベーション次第で学力が伸びる。
ところがば家庭学習が足りない分を、塾がしっかり基礎トレーニングして補完してくれている場合もある。
家庭で勉強する習慣がなくても、地頭の良い子供というのは、トレーニングすればキチンと学力が伸びる。
なので基礎的な学力トレーニングを、毎回しっかりしてくれる塾であれば、あとは学校で枝葉がついて学力が伸びる。
ところが合格実績が凄い塾に転塾すると、応用問題や発展問題ばかりやって、基礎学習は家庭でみてくださいとなる。
こういう場合、塾に通っていても基礎トレーニングが足りなくなるので、成績はだんだん落ちてしまう。
基礎トレーニングは退屈だし、家でコツコツやるのも面倒だ。
そうして転塾して失敗すると言うことが起こる。
子供の勉強のモチベーションが下がることもある
できる子供だって、友達同士で競い合って競争相手を見ながらだからこそ、やる気を出しているのかも知れない。
塾内に、絶対に負けたくないヤツがいるからこそ、頑張っているのかも知れない。
また塾の宿題が一人でできる程度、あるいは家庭で補完できる程度だったから、塾について行けたのかも知れない。
だから成績をもっと上げようと思って転塾させたら、競争したり張り合う相手がいなくなったり、塾で習ったことが家庭学習でカバーできなくなって、結局成績を落とすこともある。
「良い成績」は、微妙なバランスの上にできあがっているので、成績がよいのに転塾させるというのは、得策ではない。
習い事なども、できる限り続ける方向で、行った方がよい。
やめたからといって、成績が上がる保証はどこにもない。