脳内誤変換との戦いに勝利せよ(2)答え合わせは必ず自分で
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脳内誤変換を考える、の、続き。
中学生になっても、小数の計算ができない子供がいる。
...というか、算数・数学の成績が悪い子供の中には、当たり前のようにそう言う人がいる。
足し算でも、1+1.2=1.3 と計算したりする。
足し算がこれだから、引き算も当然間違える。
分数の足し算も、分母同士足して、分子同士足したりする。
これは私の想像だが、こういう子供の場合、どうもそのあとに習う小数の掛け算の計算のやり方に、記憶がすり替わってしまっているようだ。
小数の掛け算の場合は、小数点を揃えないし、かけてから小数点をつけるわけだから、それと同じように、足しているんだと考えると、納得だ。。
要するに、計算方法が脳内で、あとから覚えた掛け算のやり方に置き換わっているわけだね。
記憶はしょっちゅうスリ替わる
「しかし何でこんな事が起こるんだろう?」
と私もずーっと思っていた。
が、実はこういう記憶のすり替わりって言うのは、日常生活でいつも起こっていることだった。
つまり何かを思い出そうとしたとき、脳は適当な答えを探して出してくるようにできていたのだ。
子供が言い訳をするとき、突拍子もないことを言い出したりするが、要するにそう言うことだったのだ。
だから小数の足し算の計算も、それより新しく記憶している掛け算の計算方法で、やったりするわけだ。
しかもそれを何度も繰り返すと、間違った計算方法を、しっかり覚えてしまって、毎回間違えるってことになる。
算数・数学のできない子供が、そうやって完成するわけだ。
とにかく自分で答え合わせ、とにかくいろんな問題を常に解く。
そう言う風に、我々の記憶というのは勝手にすり替わるから、これをそのまま放置しておくと、できない子供になってしまう。
そこで大事なのが、記憶の訂正・修正だ。
記憶を訂正・修正するチャンスを作って、それを一々やるしかない。
それにはいつも言っているとおり、
- いろんな問題を1題ずつ組み合わせた問題をやらせる
- 答え合わせを自分でやらせる
- 満点に特別なインセンティブ(ごほうび)をつける
ってことだ。
これができると、できる子供になる。
これができないと、できない子供になる。
「子供が答え合わせを適当にやるので、丸ツケは先生がやって下さい」
こんな事を塾に頼む親は、子供を確実にできない子供にする。
子供が自分で脳内誤変換を修正できなければ、結局できる子供になんかならない。
子供に「良い点を取ろう」という気を起こさせない限り、答え合わせはいい加減にするし、間違えても覚え直そうという気は起こらない。
そこへ持ってきて、「あなたはできない子供だ」
「おまえはできない子供だ」
と子供に聞こえるように言うと、それがトラウマになって
子供は無意識にできない子供を目指すようになる。
とんでもない話やね。