難読症(識字障害・ディスレクシア)は、学びの障害
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この前、テレビで、難読症(識字障害・ディスレクシア)の特集をやっていた。
難読症というのは、文字を読んでも意味が理解できないという病気で、学習障害の1つだ。
その特集によると、文字を読んで意味が分かるまでには、文字を読んだときに、それに対応する音が頭の中で起こらないといけないらしい。
つまり
文字 → 視覚 → 音に変換 → 理解
というプロセスを経て、人間というのは理解するらしいのだが、ここのどこかでうまく行かず、字がうまく読めないと言う状態になるらしい。
つまり文字を読んだとき、それが音に変換できないと意味が分からないわけね。
人間の脳というのは、元々字を読むようにはできていない
人間の脳というのは、元々字を読むようにはできていない。
動物というのは音で情報を伝達したり理解するけど、文字は使わない。
だから人間は、脳の別の機能を援用して、無理から文字を読んでいる。
そのために文字情報を音声情報に変換する必要があるわけなんだけど、元々ない機能を別の機能で補っているだけだから、うまく行く人と行かない人がいるわけだ。
識字障害は、世界で文盲率が下がってきて初めてその存在が分かってきたことらしい。
文明開化により、みんなが文字を読む必要がでてきたわけだけど、それによってそう言う能力を持ち合わせない人が、かなりの割合で存在することが分かってきたわけだ。
で、実はこれ、映画俳優のトム・クルーズとか、アメリカの初代大統領のジョージ・ワシントンもそうだったらしい。
ヨーロッパの貴族にも多いらしく、遺伝的な原因もあるらしい。
アメリカでは十数パーセントくらいの人間にそういう兆候があるらしい。
ウィキペディアの記述によると、学習障害のパターンの1つに難読症、識字障害があって、
知的能力及び一般的な学習能力の脳内プロセスに特に異常がないにもかかわらず、書かれた文字を読むことができない、読めてもその意味が分からない(文字と意味両方ともそれぞれ単独には理解できていることに注意)などの症状が現れる。逆に意図した言葉を正確に文字に表すことができなくなる「書字表出障害(ディスグラフィア、Dysgraphia)」を伴うこともある。
また簡単な計算ができない「計算障害」を伴うことも多い。
とある。
識字プロセスには文字や単語を構成する音に結びつけて分析する「音韻的処理」(ひらがな、カタカナ、アルファベットなど主に表音文字)から、単語、文章そのものからダイレクトに意味を理解する「正字法的処理」(漢字のような表意文字も含む)までいくつかの段階がある。
ディスレクシアはそれらいろいろな段階での症例が報告されており、例えば2つの文字の違いが分からない、文字や単語の理解まで非常に時間がかかる、読むことはできるが書くことはできない(これは一般的な言語学習段階上の経験として覚えのある向きもあろう)などさまざまである。
とも書いてある。
ところが識字障害のある人は、NHKの特集でもやっていたが、なぜか空間認識力が発達するらしい。
一方でディスレクシア障害者は一般人に比べて映像・立体の認識能力に優れていると言われ、工学や芸術の分野で優れた才能を発揮している者も多い。
これは左脳の機能障害を補う形で右脳が活性化しているためと考えられており、最近は若年者の治療において障害の克服と共にこうした能力を伸長させる試みも行われている。
で、この識字障害の対策だけど、トムクルーズの場合は、ロン・ハバートの「勉強の技術」という本(というか絵本)で救われたらしい。
これは、言葉の意味を1つ1つ確認していき、分からない場合は実物や模型を作って理解するというやり方だ。
要するに、分からないことを調べるクセづけだ。
他の有名人で、本を音読してなおした人もいるようだから、とにかく簡単な本を毎日音読させてみるのが有効なのかも。