文章が読めない子ども、家庭でどうすれば良いか
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家庭学習で、まずやって欲しいのは「ことばの学習」だ。
ことばの学習とは、簡単に言うと「ことばを知る」ということで、
世の中にはこういうことばがあるんだ
…と子どもに伝えることだ。
そのためには、色んな言葉を子どもの耳に届かせる必要がある。
そして色んな言葉を聞いた子どもは、色んな事に興味を持ち、積極的に行動するようになる。
一方、言葉を色々聞かずに育った子どもは、世の中に飛び交う謎の言葉を「自分に関係ないもの」として無視するようになる。
授業中も、分からない言葉だらけなので、シャープペンシルを分解して遊んだり、消しゴムカスを丸めて遊んだりし出す。
こういう状況では、学力が伸びようもないし、学習塾の先生も勉強を教えることができない。
ここでまず必要なのは、家庭で言葉を教えることだ。
しかし家庭学習で、何をどうやれば良いのか。
音読で、言葉を脳に送り込めば、学力は上がる
子どもに言葉を教えるために、何をやれば良いのか。
一番やりたいのは、「音読」(おんどく)だ。
音読というのは、文章を声に出して読むと言うことで、とにかく読めば良い。
読み方も、直立して、立って大きな声で読みたいところだが、勉強ができない子供にはそこまで要求しない。
とにかく声に出して文章を読む、それだけで学力はアップする。
これは、大学受験の受験勉強でも、暗記に使うと良い方法だ。
語彙力が足りないと、音読できない
ただこの方法は、学習塾ではやりにくい。
声がウルサいので、夜中にやるのも、やりにくい。
そしてもう一つ、「読めない言葉が多い」とやりにくい。
知らない言葉や、意味が分からない文章を読むのは、辛いし飽きやすい。
これでは続くモノも続かない。
そこで勉強ができない子供にお奨めするのが、「語彙力本の音読」だ。
文章をスラスラ読むには、とにかく頻出語・良く出てくる言葉を頭に入れておかねばならない。
しかし国語の頻出用語を頭に入れるには、たくさんの色んな文章を読まねばならない。
これは矛盾だし、堂々巡りになってしまう。
つまり
言葉を知らない
→ 文章を読んでも支える(つっかえる)
→ 文章をすらすら読めないので進まないし、嫌になる
→ 文章をたくさん読めないので、言葉を覚えない
→ 最初に戻る。
と言うことになって、勉強が進まないわけだ。
語彙力ドーピングに 小学生の語彙力アップ 基礎練習ドリル1200
読解力を上げるには、たくさん様々な文章を読めば良い。
ところがたくさん色んな文章を読むには、基本的な語彙が頭に入っていないと、全然進まない。
これでは堂々巡りになってしまうため、ここで「語彙力ドーピング」して、子どもの語彙力を取りあえず増やす。
つまり頻出用語をまず音読させて、子どもの脳に言葉を叩き込む。
これに使える市販教材の一つが、これだ。
小学生の語彙力アップ 基礎練習ドリル1200
小学生の語彙力アップ 実践練習ドリル1100
このドリルの良いところは、色々ある。
漢字の熟語と、様々な言葉が収録されている。
語彙力の問題集の多くは熟語が少なめだが、この問題集は熟語中心になっているため、ノートに言葉を書くことで漢字の練習にも使える。
しかも漢字にルビ(ふりがな)が振ってあるので、読み方でつっかえて学習が止まることがない。
文章に言葉を当てはめるクイズ形式。
選ぶだけだから、できない子供でもできる。
言葉の意味が簡単に全部説明してある。
知らないことばや、うろ覚えの言葉の意味を逐一確認できる。
実は、塾用教材で、こういう熟語中心の語彙力問題集というのはないし、市販の問題集でもなかなかない。
また漢字の問題集でも、熟語の意味を全部書いている問題集は少ない。
その点、この問題集は、言葉を読んで文章に当てはめるだけだから、ノート無しでもできるし、ただ音読するだけでも基礎学力を養うことができる。
見たり聞いたりした言葉が増えれば、それだけ新しい文章を読むことができるし、苦痛も感じにくくなる。
なので学校が休校で、家庭学習する時間がたっぷりある場合は、とにかく毎日これを音読させて、意味を確かめるということを繰り返すべし。
こちらの語彙力教材は熟語以外の語彙が豊富で、上の問題集とは傾向が違うので、合わせて使いたい。
語彙力アップ1300 1 小学校基礎レベル