勉強のできない中学生(7)その場しのぎの勉強
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勉強のできない中学生から学ぶシリーズの7回目。
勉強ができない中学生のパターンとしては、まず、識字障害などの学習障害がある場合。
識字障害自体は、そんなに珍しい学習障害じゃない。
たいていは、ただ練習量が不足しているだけである。
文字の読み書きが苦手で時間がかかるから、同じ時間勉強しても、普通の子供と比べて練習量が不足する。
練習量が違えば、成績が違ってくるのは当然だ。
これは小学生4年生頃から、ちょっとずつ勉強が遅れてくるのでよく分かる。
根気よく、基礎的な読み書き計算を練習することによって、普通の子供くらいまでは伸びる。
一方、そう言う障害がないのに、できない子供。
これはもう、「その場しのぎ」が累積してきたパターン。
いわゆる「一夜漬け」でごまかしてきたが、学年が上がるに連れて、それが通用しなくなっていくパターン。
地頭が良く、頭の回転が速いのに、なぜか成績が悪い生徒は、たいていそう言うパターンになる。
頭の回転が速いので、勉強の必要・不必要を自己流で判断してしまうパターンだね。
子供には、基礎学力の重要性がわからない
ところが英語や数学など、学年が上がるに従って、一夜漬けは通用しなくなる。
なぜかというと、両方とも積み重ねが必要なモノだから。
英語など、言葉や表現だから、基本文さえしっかり覚えておれば、後々の複雑な表現になっても、覚えている基本文を変化させればいいだけだ。
ところがこの肝心な基本文を、全然覚えていない生徒の場合、どうしようもない。
先へ進みようがないわけだ。結局、基本文からやり直すことになる。
数学も、基本は小学校の算数にある。
面積だって体積だって、関数だって、基本は算数の中にちゃんとある。
三角形の内角の和が180度だっていうことも、三角形の外角が、他の2角の和だってことも、算数で習う。
平行線の同位角や対頂角なども習う。
速さや濃さといったモノも、算数で習う。
しかし数学ができない中学生というのは、小学校で習ったはずの事項自体、覚えていない。
「これ、6年生で習ったはずだよ」
といっても、「知らない」と平気で答えてくれる。
そりゃあ、中学に上がったら点数取れないなあ、、、、、
しかし子供には、どれが重要で覚えるべき事項かはよく分からない。
後々それで困ると言うことも、もちろん知らない。
基礎が大事だというのは、たいていの子供には分からないのが普通で、だからこそ親による家庭学習が大事なわけである。
中学生の場合、この穴を埋めるのに最低1年くらいはかかってしまう。
通知票「1」や「2」の子供を「4」以上にするには、半年では足りない。