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国語の成績が悪いのは(26)表現することの難しさを知れ
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言は意を尽くさず、書は言を尽くさず。
言葉には限界がある。
言語では、伝えたいことを全て伝えることができない。
言葉は、書き手と読み手という二つの存在があってこそ、伝わるものであって、それがないと伝わらない。
たとえば「リンゴのような甘さ」と書いても、読む人が「リンゴの甘さ」を知らなかったなら、この表現は伝わらない表現になってしまう。
つまり書き手がいくら工夫して文章を書いても、読み手にそれを読みとる力がなければ
何にも伝わらないわけだ。
そしてそれを伝えるために、図や絵というモノがある。
グラフや表というのも、そのためにある。
私が日記より、絵日記の方を奨めるのは、言葉だけでは、全てを伝えることができないからであり、またそれが図示やグラフや表の利用にもつながっていくからだ。
図示することは、数学力養成のためにも必要であるし、ビジネスなどでも必要なスキルである。
他人に言いたいことを分かりやすく伝えるには、絵や図やグラフや表といったモノを
使いこなせる総合力が必要なのだ。
ところが、国語だけを教えている講師の一部や、プレゼン力の重要性が分からない親には、ここのところがよく分かっていない。
だから子供に文章ではなくて絵日記を書かせると、文句を言われたりする。
漢字の止めはねの細かいことで、電話がかかってきたりする。
モノを伝えるために、止めはねなんて重要なことでも何でもない。
いくら字がキレイでも、説明出来ないのでは仕方がない。
言葉で表現出来ることには限界があって、その限界のある言葉を使って文章が書かれている。
これが実感を伴って分かるだけでも、国語の成績はだいぶ変わるはずだ。