国語の成績が悪いのは(8)物語文が難しいわけ
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国語の問題で、物語文が読めないのは、実は当たり前だったりする。
というのも説明や評論などとは異なって、最初から読ませてくれないからだ。
長い小説のうちの、たった数ページ文だけ取り出して、「さあどういう事だ?」
と、設問が並んでいるわけだから、一部だけ読んで全体を想像しないといけない。
登場人物の性格や状況、登場人物同士の関係、舞台となっている土地や場所の風習や雰囲気、そう言ったことを、本の途中から読み出して理解しないといけない。
こういうことは、物語の最初から読んでおれば分かるのだけれど、途中から読むので、文中のヒントを頼りに想像していくしかない。
しかも入試問題というのは、登場人物の心情を答えるわけだから
登場人物の心情が文中に書かれていない文章が選ばれる。
文中に書いていないことを選んだり書かないといけないわけだから、難しいのは当たり前だ。
物語文には、分析力が必要だ
物語文は、お話の途中から読まされて、どういう状況で、誰がどうしたかを答えるタイプの問題だ。
登場人物の心情も、答えが文中に書かれていないから、できないこどもにとっては「無から有を生じさせるような」難題だ。
なので物語文の問題を解く方法として、人物が出てくるたびに丸印をつけて、関係などを書くという方法がある。
行動・言動・しぐさといったものにも
何かの印を付けていき、なぜそう言うことをしたのか探る。
そう言う風に、手を動かして答えを探していかないといけないところが、物語文を解くという作業になるわけだけれど、これが難しい。
主語と述語がうまく抜き出せない子供というのもいて、段落を要約するのが苦手な子供もいる。
出口汪(でぐち・ひろし)さんの「新日本語トレーニング」では、最初に主語と述語、要約文を書くことが徹底されているが、そこから始める必要がある。
日本語は、主語の脱落が多い言語であるので、述語から主語を割り出す必要もあって、結構大変だ。
小説を読み慣れている子供の場合は、こんな作業をせずとも頭の中で人物が勝手に動いてくれて
答えが出てしまうのだけれど、、そうでない子供の場合は、手を動かして作業しないと答えが出てこない。
字をきちんと書かないといけないと思っている子供の場合、こういう場合も作業が遅くなって、途中で気が散ってしまったりするので痛し痒しだ。