国語は、実践問題やらせても、できるようにはならない。
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国語の問題集について、最近よく考える。
というのも、問題集によって、合う・合わないがものすごく大きいからだ。
算数の問題集なら、
- 小学校準拠のもの(NEW小学生ワークなど)、
- 小学校準拠+発展レベル(小学実力錬成テキスト、錬成テキスト、小学ビルダーなど)
- 中学受験専用のもの(予習シリーズ、私国立中受験新演習、新錬成講座21など)
といった感じで、小学校で習う順番に載っているモノと、それを崩している問題集とに2分される。
が、結局のところ、問題の難易度が違うだけだ。
ところが国語の問題集となると、載っている題材は様々だし、解説も不十分。様々と言うより、バラバラで一貫性が見えない。
なんかもう、とにかくたくさん読ませればいいっていうタイプの問題集が多くて、しかも解説がいい加減なモノが多いので困ってしまう。
解説が非論理的な問題集は、ダメ
たとえば『私国立中受験新演習』は、1つの章(一週間分の勉強)に5つの異なる文章が載っていて、とにかくたくさんの文章を読ませる。
これはもちろん、上位校を狙うような生徒さん向けの問題集であるから、入試問題に似せた形で問題を作っているのだとは理解できる。
がしかし、解説がなんか中途半端。
正答に至る過程や因果関係がハッキリしない問題が結構ある。
どの問題を確実に取るべきかという点についても、記述がない。
国語が苦手な子どもには、これは絶対やらせられない問題集だろう。
だって因果関係がハッキリしないんだから、理解のしようがない。
それでいて山ほど文章があるわけだから、文章が頭に残ることもなく、適当に答えを書く悪いクセばかりつく。
こういう実践問題を中心に学習すれば、できるようになるかというというと、まずそれはない。
だって、大学入試センター試験の過去問や実践問題集を山ほどやれば、センター試験で高得点が取れるか?というと、それは相当難しい話だから。
数稽古は、理屈が分かってからやらないとダメ。
実践問題をやれば、出題方法に慣れることはできるけれど、じゃあそれで問題を解けるようになるのか? というと、まず無理。
問題が解けるようになるには、背後に地道な基礎トレーニングがあってこその話だから。
ところが国語の場合、その地道な基礎トレーニングというのが、ハッキリしないようだ。
英語の場合は、基本的な語彙を覚えることと、短い文を読む書きすることがそれに当たるわけだから、それに相当する問題を山ほどやればいい。
ところが国語の場合、言葉(漢字)の書き取りはできても、短い文章を読み書きするような問題集は残念ながら滅多にない。
あっても文法の問題集になってしまって、地力を養成するための問題ではない。この辺が、国語教育の1つのネックになっているような気がする。
一方、教育開発出版の『新小学問題集』の場合は、1つの文章を3~4回に分けて読む。
物語が多く、序盤・中盤・終盤という風に分けているく場合が多い。
出口汪さんの『日本語トレーニング』なども、1つの文章を数回に分けて読んでいくタイプだが、こういう問題集をやると、文章には流れがあるんだということがよくわかる。
国語が苦手な子どもの場合、問題に対する集中力がない場合が多いので、1つの文章を数回に分けてでも、短時間で1つの問題をじっくり解くという方が良いように思う。
子どもの側から言うと、目まぐるしくいろんな文章を読ませられるより、1つの文章を順を追って読む方が「なんだかできそうな気がする」はずだから。
うーんしかし、単文ばかりの問題集ってないものかね?
問題集の学年を落としてもいいが、そうすると漢字や熟語が簡単になってしまって、それはそれで問題だし。