国語の成績が悪いのは、、、(5)アナロジーが効かない
更新日:
国語の問題を解く場合、自分の意見や常識は、とりあえず横に置いておかないといけない。
これは説明文や論説文では必須の事項だ。
というのも「常識を疑う」ような問題の場合、自分の意見や常識を信じて疑わない子供の場合、どうしても自分の意見や常識に添った答えしか
選べなくなるからだ。
学習障害などでも、他人の言ったことを
全て本当のことと捉えるというタイプがあるけれど、そう言う風に頑固として譲れないわけだ。
そしてまたそれは、他人も自分も同じという考え方に通じる。
だから新たな知識に触れられる説明文や論説文では
新しいことであるから素直に正答にたどり着けたとしても、物語文が読みとれないと言う事になってしまう。
自分自身が正しいと思っているから、登場人物もみな自分と同じ考えを持つとしか
思えないからだ。
本をたくさん読んでいる子供はキャラクターの区別が付く
物語文や小説の点数が良い子供というのは、基本的に
物語の中には別の世界があることを知っている。
私は子供の頃、ナルニア国物語のシリーズを
毎年何度も読み返していたが、そこは現実世界とは別の世界があった。
洋服ダンスの奥にはナルニア国があって、ピーターやスーザンやルーシーやエドモントがいる。
カスピアン王子やリリアン王子、言葉をしゃべる動物たちや
透明人間や一本足のこびと、巨人族や別の人間達もいる。
それはもちろん現実の世界とは別の存在で、(ロンドンの街とはつながっているようだが)
時の流れ自体も全然違っている。
最後には、女子大生になりナルニアに興味がなくなった
スーザンだけ現実世界に取り残され、あとのメンバーは列車事故で死んでしまう。
ナルニア国物語というのは、聖書をモチーフにした児童文学で、死んだメンバーは真のナルニア国で生きることになるのだが、子供の頃はどうしてスーザンだけ?などと思っていた。
これは著者のCSルイスが孫娘(ルーシー?)のために書いたものだというが、4人兄弟や、いとこ達のキャラのかき分けはなかなかスゴい。
大人になるとそのリアルさに笑ってしまう。
そんな感じで、小説などをたくさん読む子供にとっては、読む物語ごとに別の世界があって、いろんな登場人物が出てきていろんな性格で、いろんな事件を引き起こすということをよく知っている。
だからこそ物語文や小説を読んでも、好きな小説や物語の何かのキャラクターとのアナロジー(類推)で、何となく心情が分かってしまう。
何となく心情が分かるというというのでは心許ない話だが、しかしそれでも点数が取れればいい方だと思う。