国語の成績が悪いのは(13)随筆は、認識の変化に注意する
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中学受験の国語学習法のつづき。
物語文・小説に似た文章として、随筆(ずいひつ)というのがある。
随筆とは、エッセーなどとも呼ばれるが、日常生活で起こった出来事を元に、色々考えた文章だ。
たとえば、『梅雨時にカタツムリを見た。
カタツムリの殻はいつ見てもキレイだ。
なぜなんだろうと思ったが、よく分からなかった。
しかしこれを研究して、製品開発に役立てた人もいる。
・・・・』
一見、日記風の文章なのだけれど、そこに様々な考察というモノが入ってくる。
元々「言いたいコト」があって、それを読者に説明するための文章ではなく、日常生活での見たことや、伝聞をきっかけに、現在の状況を考え直したりする。
だから結論というのは、最初から出てこないし、結論という物自体がない場合もある。
ただパターンとしては色々あるだろうが、問題として採用されるのは、筆者の認識に変化があるような文章だ。
日常生活のふとした体験をきっかけに、色々考えを巡らせる。
↓
今までの自分なりの認識をまとめる
↓
出来事や調べたことなどを利用して考え直す
↓
新たな認識に至る
という感じ。
変化があるから、「筆者の最初認識はどうだったか」
「筆者の後の認識はどうだったか」
などという風に、問題が作れる。
物語文では、登場人物の心情の変化が問われるが、随筆・エッセイなどでは、認識の変化が問われる。
しかもこの場合、考えている人は大人であって、子供ではない。
この辺もちょっと難しいところかも知れない。
文章も、子供向けに書かれたものではないので、熟語や言葉の使い方も、けっこうレベルが高い。
学校によっては、評論文の替わりに随筆が出たりするので、「小説・物語文」と「説明文・論説文」というふうに
2パターンの文章だけ練習するのではなくて、慣れておいた方がいい。