単位変換のコツ、比を使わないで変換。
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算数や数学で、単位変換が苦手な子供というのがいる。
単位変換というのは、100メートルをキロメートル単位になおしなさい、とか、時速を分速になおしなさい、とか、こういう作業のことである。
これって実は、今の小学校では、あまり真剣に取り組んでいない部分である。
実際の所、単位変換というのは、できる人には簡単すぎるし、できない人には全くできないものである。
小学校では、4年生くらいまでは、実物があるモノを中心に学習するが、4年生より後は、抽象的な概念が多くなっていく。
単位も、長さ自体は直感的に分かる物なのだが、面積とか体積になると、もう「抽象概念」になってしまうのだ。
で、こういう子供がなぜできないのか、と考えてみるが、二通りあるように思う。
一つは、単位というモノが、分量としてイメージできていない場合。
そして変換するための基本的な知識、たとえば「1キロは1,000ということ」が、覚えられていない場合。
もう一つは、比が分からない場合。
単位変換をするには、比を使って計算するやり方と、かけ算を使って計算するやり方がある.
しかし比というのは小学校の一番最後の方に習うことなので、実は一番理解もトレーニングもされていない部分だったりするのだ。
中学校に入ってから、一度復習する単元(比の値)があるが、どうもオマケ扱いされているようで、小学校で落ちこぼれた人間を拾うことはできないようだ。
それでなくても体育祭の練習ばかりやってたりして、時間が足りないと言うのに。
何を隠そう、私も単位変換や比というのは、苦手な方である。
今でも1平方キロメートルが何アールかと聞かれれば、即座には答えられない。
京大の理系卒のくせに、比が苦手で暗記力がないもんだから、すぐには応えられないのだ。
しかし苦手だけれど、それなりにやり方は工夫している。
基本的な変換表をしっかり覚えて、分数にして掛けてしまうのである。
たとえば1キロメートル=1,000メートルというところから、1メートル=1/1,000キロメートル という分数を作って、掛けるだけ。
文章で言うとわかりにくいので、図にしてみたがこういう事だ。
単位換算計算の例
この例の場合は、基本的なやり方を説明しているだけなのだが、まずこれを徹底的に練習する。
キロメートルをメートルに直す場合は、キロメートルを「×1,000メートル」にすればよい。
メートルの所を「×千分の一キロメートル」に置き換えると言うところがみそなのだが、実はこの「かける」というところがよく分からない子供が多いのだ。